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327 名前:名無しさん@おーぷん[] 投稿日:24/02/21(水) 15:01:21 ID:ip.d1.L1
十代のヘドロみたいな六年間を中年になってやっと納得した話でも書く
六年間の汚物があるから長いぞ
昭和の終わりくらいの時代に受験勉強の末に私立中学入試に合格した
合格したはいいがそのおかげでその後六年間が丸ごとぶっ壊れた
要素は色々あるけどまず何よりその私立中学は家からめちゃくちゃ遠かった
人生の五分の一を費やすほど通学時間がかかった
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俺と両親が初めてその学校へ実際に行ったのは入試直前の下見の時だった
車ですら往復2時間くらいかかっていた
両親はその時に「あれ?」とか思ったかもしれない
思ったかもしれないがもう手遅れで俺はそのまま合格した
電車だと往復5時間もかかった
電車の往復だけで毎日一冊ラノベが読めた(当時ラノベって言葉はなかったが)
私立中学のくせに電車が1時間に一本しかないローカル路線のしかもものすごい駅遠だった
そのローカル線に乗るのすら俺の家からかなり遠い駅から乗らなければならなかった
暗いうちに起き家から20分自転車をこいで最寄り駅へ行き1時間電車に乗ってそこから40分歩く
自称進学校だったので授業は割と夜遅くまでやっていて学校を出た時点でもう暗かった
そこから順調に行っても家に帰りつくのはもう完全に夜
どうやら両親は息子の偏差値とそれで合格可能な学校しか見ていなかったようで
「合格したらそこに毎日六年間通う」ことを全く想定していなかったらしい
今思うとそんなあほな進学計画があるかだが
ネットもない時代で受験後の情報と言えば塾で公表される華々しい「受験体験記」だけ
周囲がほぼ全員地元高校に進学する田舎環境ではまあまあある盲点だったようだ
実際家からの最寄り駅には俺と同じ境遇の生徒が数人、毎日日も登らないうちから並んでいた
328 名前:名無しさん@おーぷん[] 投稿日:24/02/21(水) 15:01:39 ID:ip.d1.L1
自称進学校だったので宿題は多く自称進学校なのに学校外の塾が前提だった
土日や長期休みを含めて日々の景色は学校と塾と膨大な通学時間と家の勉強机だけ
夜に家に着いて夕飯を食って塾へ行き深夜から宿題をしてやっと寝て日が明けないうちに起きる
睡眠時間は四時間くらいで時には完全徹夜でそのまま学校というブラックすぎる無茶生活を送ったが
平成初期の自称進学校には「睡眠はサボり」っていう風潮があったのでむしろ推奨された
自称進学校だったので中学二年の終わりに成績の悪い生徒を担任が個人でこっそり呼び出して
「お前このままだと日本でも前代未聞の中学留年だぞ」って脅すっていう陰湿なマニュアルがあった
高校あたりで皆「そんなん法律的に無理だろ」と気づくがその時は既に成果が出てるっていう仕組み
何人が言われたのか分からんが少なくとも中二の俺は本気で信じて強迫行為で延々髪を抜いたりした
まあこんな環境でこんな雑な態度でこんな生活を送ってたら成績が上がる訳もなく
中高一貫の自称進学スパルタ六年間の結果ヘボい大学にしか受からなかった
地元の中学高校で遊んでた連中のほうがよほど名のある大学に受かっていた
329 名前:名無しさん@おーぷん[] 投稿日:24/02/21(水) 15:01:53 ID:ip.d1.L1
このまま悪口だけ言ってても救われないからやっと本題に入る
そんな感じで卒業してそれから三十年弱経過して現在この年齢になった
今になると小学校の時になりたかった職にはつけたしその延長で結婚もできている
そういえば別に体育会系でもなかったのに年齢にしては健康だし体力がある方だと思う
理由を考えてみるとどうやら理由は六年間毎日往復一時間半の徒歩・半時間のチャリと
電車での一日一冊の大量文庫本読破だったようだ
ラノベは中学で尽き高校後半では古典SFから現代クレカ破滅体験記とかまでとにかく読みまくっていた
電車という隔離ヒマ空間で読書の習慣をつけ毎日の強制徒歩で体力をつけた
俺は六年間それで今の仕事向けの頭とその仕事を続けられる体力を鍛えてきたらしい
学校自体は全く役に立たないというか害しかなかったが俺の六年間はそんな風に結果が出た
人生どうなるかわからんなあ
そういえば「地元中学ならもっと楽しくいい大学に行けたはず」っていう当時の確信には何の根拠もない
問題は環境ではなくて俺自身の気質にあったんじゃないかと今になって思う
だから地元中学に行ったら行ったで堕落やイジメからのもっと底辺ルートとかあったかも知れないし
そして多分俺はこの変則奇跡のルート通らないと結婚なんてできなかっただろうし
結果的に今ここにいるんだからいいかあと五十歳間近にしてやっと思えるようになった
その自称進学校には今でも普通にデカめの隕石でも落ちないかなと思ってはいるが
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