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321 名前:名無しさん@おーぷん[] 投稿日:24/01/11(木) 09:01:20 ID:Yj.xi.L1
大学の頃、仲が良かった男友達とよくカラオケに行っていた。
所属するサークルが同じだったりマイナーな授業で一緒だったりで、話すうちに気が合うとわかって自然と仲良くなった感じ。
どちらも恋人はおらず「俺/私と一緒にいたら恋人できないよ」なんて言い合いながら、宅飲みしたり「おひとり様だと行きにくいから」と映画行ったり博物館行ったり、いろいろ出かけていた。
そしてお互いにカラオケが好きだったので、飲みに行った後に夜通し歌うオールカラオケもよくしていた。
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親の影響で竹内まりや好きな私が『カムフラージュ』を歌っていると、
「目と目が合って指が触れ合うその時 全ての謎は解けるのよ
黙ったままで早く唇奪って」
という歌詞のところで、彼が無言でこちらを覗き込んで来て手を握り、おもむろにキスしてきた。
彼が飲んでいた梅酒の味がしたのと、歌う人がいなくなった伴奏だけが流れていたのをよく覚えている。
しばらくして唇を離した後「ちょっと飲み過ぎたかも」と彼が言うので、それを言葉のまま受け取ってその日はお開きにして、それぞれ帰宅した。なんとなく、お酒でハメを外して気まずいだろうと思いキスのことにはその後触れなかった。
その後も変わらずよく一緒に過ごしたけど、大学卒業後に彼が飛行機の距離の地元で就職して事前に疎遠になっていった。
そして十数年経ち、私も結婚して子供も生まれ、育児に仕事にと忙しく過ごしている。
最近、同じサークルで仲の良かった子から、例の男友達が当時私のことを好きだったと聞いた。
それを聞いて、そうだったのか!と驚く反面、やっぱりそうかぁ、と納得もした。
当時はうまく言語化できなかったけど、私も彼が好きだった。でも友達関係が壊れて一緒にいられなくなるのが怖くて、やや無理やりその気持ちから目を背けていた気がする。
夫と子供が1番大事だし彼も今は結婚してるし今さらどうなりたいとかもないけど、何かの拍子に『カムフラージュ』を聴くと梅酒の味を思い出す。
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