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448 名前:名無しさん@おーぷん[sage] 投稿日:21/02/21(日)17:36:20 ID:q3.8n.L1
はるか昔、親友から恋の悩みを打ち明けられたんだけどその内容がすごかった。
恋のこの字もなかったら親友から「好きな相手がいるのだけれど、母の決めた見合い相手と結婚しなくてはならないかも」と中々ヘビーな悩みを打ち明けられて、その「好きな相手」の写真を見せられた。
古めかしい木造の家で、誰も写ってない。
まさか彼女に私の見えない何かが見えているのか!?と思ったら「好きなお相手」とはその家そのものとのこと。
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人ならざるものに比喩ではなく本気で恋をするってのは世界中どこにでもあるらしいけど、昔はそんな恋愛をネタとして受け入れられるほど寛容ではない。
で、親の用意した相手の話を聞いてると普通にいい人だったし、親友の家はお父さんを亡くし女手一人ですごく苦労していたので、「家に恋してるなんて口が裂けても言わないほうがいい」「親から紹介された相手と向き合えるように、この家に一度行くべきだ」と提案した。
その家の写真は、当時すでになくなっていた、旅行好きな親友のお父さんが撮りためていた写真(引き取りてもなく、親友家に引き取られていた)の中から見つけたのだそうだ。
昔はネットなんかなくて、その民家がどこなのかさっぱりわからない。
地名も書いてない。
とりあえず、そこそこの規模の民家っぽかったのと、木に雪吊りといって、円錐状にかけられた縄が見えたので、「おそらく北陸、富山や石川あたりではないか」と推測した。私の母の実家が富山だったのでわかった。
ついでにいうと私の夫が建築関係の仕事をしていて、本人もかなりの意匠オタクだったため、夫にも「友達が、亡くなったお父さんが旅先で撮ったこのお家をとても気に入って、是非見に行きたいんだって。でもどこかわからないんで困ってるの」と言うと、
・この屋根の意匠を見るに寺の可能性がある
・屋根が比較的新しい。最近手入れしたのでは
ということも言われた。つまり北陸地方の寺。
それを聞いた親友、国立国会図書館へ。寺院名簿を調べ、いくつかのお寺さんに、焼増しした写真と「大切な親族が亡くなる前に行ったお寺を探してる。これお宅のお寺さんですか」というお手紙を送ることに。
そして、帰ってきた返事は「うちではない」ばかり。
しかし、たった一つのお寺さんが、「私のお寺かもしれません」と写真付きで送ってきた!!!
本当に写真と一致。
富山のお寺さん。
是非見にいらしてください、とのことで、「行くべきだ」と勧めた。
しかし問題が。親友のお母さんが厳しくて、結婚前の女が一人で旅だなんて駄目だという。今ほどお一人様ってメジャーじゃなかったからね。
すると婚約者(予定)の男性が「うちの家族とそちらの家族全員で行こう」と誘ったらしい。
最終的に、「消極的な二人の距離が縮まるかも!」と両家納得し、みんな揃っていくことになった。
そしてお寺さんに行き、親友はついに恋い焦がれた相手(建物ね)に感動して肩震わせて号泣。
しかしまさか建物に恋してるだなんて思わないお寺の住職ご一家&婚約者(予定)ご一家は、「亡きお父様をここまで忍ばれるなんて、今どきなんと心優しい娘さんだ」と感涙、親友母は亡き夫を思い出し涙するというすれ違いは起きたらしい。
で、その婚約者(予定)さんはその親友の姿に心打たれてその旅行中プロポーズし、親友も感動ムードで了承して結婚したとの事だった。
親友は癌で亡くなってしまったけど、結婚後は旦那さんに尽くして、いい奥さんだったそうだ。
しかし恋に動かされた人間の執念みたいなものは凄かった。
今まで生きてきて凄く衝撃的だった体験その28
の352と似てるが同じ人のことを別々の人が語ってるのかしら
それとも似たような嗜好の方が世の中に複数いるのか
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